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シュミレーターでは何してる?|F1ドライバーとチームの“秘密基地”を徹底解説

エフワンのキホン

更新日:2025年11月7日|カテゴリー:F1テクノロジー/裏側ガイド
想定キーワード:F1 シミュレーター 何してる/ドライバー シム作業/F1 開発 裏側/シミュレーター 練習

F1の世界でよく耳にする「シミュレーター作業」実際に何をしているのか?
ゲームと何が違うのか?
どれくらい重要なのか? このあたりは意外と知られていません。 しかし、現代F1ではシミュレーターはマシン開発の中心。 シム作業の質はレース結果に直結し、 トップチームではシミュレーター専任ドライバーが存在するほどです。 この記事では、F1シミュレーターの役割・具体的に何をしているのか・ 実際にどうレースに反映されるのかを、初心者にも分かりやすくまとめて解説します。


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🎮 そもそもF1のシミュレーターとは?

F1シミュレーターは、 実車とほぼ同等の挙動を再現する巨大な“仮想マシン”です。 ハンドル・ペダルの感触、G(加速・減速・旋回)、路面の荒さ、 ブレーキ温度、タイヤのグリップまでリアルに再現されます。

一般のレーシングゲームとは違い、 FIA公認の空力データ・タイヤモデル・PU制御を元に作られているため、 「ほぼ現実」と言って良いレベルです。


🏎️ ドライバーはシミュレーターで何をしているの?

シミュレーター作業の中心は、単純な「運転練習」ではありません。 最重要目的は、以下の3つです。

  • ① マシン開発の検証
  • ② レース週末の事前準備
  • ③ セットアップの方向性決定

それぞれ解説します。


① マシン開発の検証(開発シム)

シーズン中、マシンは常にアップデートされます。 翼端板、フロア、ディフューザー、サスペンション、ブレーキ冷却ダクトなど、 常に細かい新パーツが投入されます。 しかし、実車でテストできる機会は極めて少ないため、 ほぼすべての検証をシミュレーターで行います。

■ 開発シミュレーションで行うこと

  • 空力アップデート前後の比較
  • フロアの気流変化の確認
  • 高速コーナーのバランス変化
  • ブレーキ冷却の改善効果
  • タイヤの温度管理の変化

つまり、ドライバーは新車開発スタッフの一員として働いているのです。 これが“シムドライバー”が重要視される理由。


② レース週末の事前準備(トラックシム)

レース前には必ずそのサーキット専用のシミュレーションを行います。 特に初開催のサーキット、舗装が変わった年、 熱に厳しいレースは入念に準備します。

■ レース前シミュレーションの内容

  • コースのライン取り確認
  • 路面のバンプ(凸凹)位置の把握
  • バリアの距離感、縁石の硬さチェック
  • ブレーキングポイントの設定
  • スタート練習(スタンディング・クラッチ感覚)

このシム作業により、初日にアジャストする時間を大きく短縮できます。


③ セットアップの方向性決定(バーチャルセットアップ)

FP1までにセットアップの方向性をある程度決めておかないと、 週末内での調整時間が足りず、レースで不利になります。 そのため、シミュレーターで先にパッケージを仕上げます。

■ よく行われるセットアップ作業

  • ダウンフォース量(ウイング角度)
  • 車高・フロント/リアのバランス
  • サスペンション(スプリング・ダンパー)
  • ブレーキの前後バランス(BBR)
  • デプロイ(電力回生)マップの調整

これらを先に決めておくことで、実車での調整を最小限にできます。

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🧠 シミュレーターが“ドライバーの技術向上”にも役立つ理由

F1ドライバーの技術は、本番だけでは磨けません。 そのため、シミュレーターは個人練習にも使われます。

  • サーキットごとの癖の把握
  • 新しいラインの研究
  • 雨天の挙動の確認
  • ブレーキングの精度向上
  • タイヤをいたわる走法の練習

特に新人ドライバーは、 シミュレーターでの周回数=実戦力と言われるほど。


🏢 シミュレーター専任スタッフの存在

現代F1チームには、専任の“シミュレーター班”がいます。

  • シム専属ドライバー
  • シミュレーションエンジニア
  • データエンジニア
  • 空力シミュレーション担当

例えば、 アレックス・アルボン、ニック・デ・フリース、フェリペ・ドルゴヴィッチなどは シム作業の達人として評価されています。


🛰️ シミュレーターはレース中も“リアルタイム”で動いている

驚くべきことに、シミュレーターはレース中にも稼働します。 ドライバーが実走している裏で、 工場のシムではシムドライバーが同じ状況を走行しているのです。

■ レース中シミュレーションで行われること

  • 次のピットウィンドウの最適解
  • ハードタイヤ・ミディアムタイヤの比較
  • 雨が来た時の準備(インター vs フルウェット)
  • 他チームの戦略を“先に”試してみる

つまり、レース中の判断は 現場+工場シムの共同作業なのです。


📝 まとめ:シミュレーターは“第二のマシン”でありF1の心臓

  • シミュレーターは現代F1で最重要の開発ツール
  • ドライバーは運転練習だけでなく開発にも参加
  • レース週末前のセットアップ作りに不可欠
  • 新人はシム作業で実力を伸ばすことが多い
  • レース中にも工場でシムが同時稼働する

シミュレーター作業は、実車と同じレベルの集中力と技術を要する F1の“裏側の戦い”です。 ドライバーたちがなぜ何時間もシミュレーターにこもるのか── その理由は、 勝つために不可欠だから。 次に「シム作業」という言葉が出てきた時は、 その裏でどれだけ膨大な仕事が行われているかを ぜひ思い出してください。


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