F1の歴史を彩った有名リザーブドライバー10人を紹介。代役として走った瞬間や、その後のキャリアにどんな影響を与えたのかを解説。
はじめに
「リザーブドライバー=控え」ではありません。
表舞台に立つチャンスは少なくとも、一度巡ってきた代役の機会が人生を大きく変えることがあります。
本記事では、F1の歴史に名を残す10人のリザーブドライバーをピックアップし、その「掴んだ瞬間」と「その後」を徹底解説します。
第10位:パスカル・ウェーレイン(2016年 マノー)
- 背景:メルセデスの育成でリザーブを務め、F1デビュー前からシミュレーション要員として評価。
- チャンス:2016年マノーでシートを得て、リザーブから正式昇格。
- その後:ポイント獲得経験もあり、現在はフォーミュラEでチャンピオン争いを繰り広げる。
👉 「F1で芽は出なかったが、他シリーズで成功」の代表例。
第9位:アレクサンダー・ウォーツ
- 背景:1990年代後半、ベネトンのテスト兼リザーブとして活動。
- チャンス:1997年のル・マン制覇後、F1リザーブとして呼ばれ、1997年のカナダGPで代役出走。
- その後:ウィリアムズのテストで長期在籍、後年はFIAドライバーコーチとして活動。
👉 リザーブがキャリア後半の“セカンドライフ”に繋がった例。
第8位:ニック・デ・フリース(2022年 モンツァGP)
- 背景:メルセデスのシミュレーション要員であり、複数チームのリザーブを兼務。
- チャンス:アレックス・アルボンの急病により、ウィリアムズから急遽出走。
- 結果:初F1で即ポイント獲得。2023年アルファタウリのシートを勝ち取る。
- その後:短期でシートを失うも「一発で歴史に名を残した代役」として評価。
👉 リザーブが一夜で脚光を浴びた典型例。
第7位:ニコ・ヒュルケンベルグ
- 背景:「スーパーサブ」の代名詞。現役引退後もリザーブを務め、複数回代役出走。
- チャンス:2020年、レーシングポイントでコロナ欠場の代役に抜擢。
- 結果:いきなり予選3位を記録し、存在感を示す。
- その後:2023年にハースで正式レギュラー復帰。
👉 「準備していればいつでも呼ばれる」ことを証明した現役レジェンド。
第6位:ロバート・クビサ
- 背景:2011年のラリー事故でF1を離脱した後も、リザーブとして関与。
- チャンス:2019年にウィリアムズで復帰し、代役出走やテストを兼務。
- 結果:ポイントを獲得し、復活劇を見せた。
- その後:リザーブとしてアルファロメオに帯同し続けた。
👉 ケガからの復帰を支えたのも「リザーブ」という立場でした。
第5位:ピエール・ガスリー
- 背景:レッドブル育成のリザーブを務めながら、スーパーフォーミュラ(日本)に参戦。
- チャンス:2017年トロロッソのリザーブから本戦昇格。
- 結果:日本での経験が評価され、正式シートを獲得。
- その後:レッドブル昇格と降格を経験するも、アルファタウリで優勝。
👉 リザーブと他シリーズを両立しながらチャンスを掴んだ好例。
第4位:ジョージ・ラッセル
- 背景:メルセデス育成としてリザーブを兼務しつつ、ウィリアムズでレギュラーを務めていた。
- チャンス:2020年、ハミルトンがコロナ欠場 → メルセデスで代役出走。
- 結果:初優勝を逃すも、速さを証明して評価急上昇。
- その後:2022年からメルセデスの正式ドライバーに。
👉 「代役一戦がトップチーム昇格に直結」した典型的成功例。
第3位:フェリペ・マッサ(2002年 サウバー → フェラーリ)
- 背景:若手時代はリザーブとして経験を積み、フェラーリで長期テスト。
- チャンス:シューマッハのチームメイトとして2006年から昇格。
- 結果:2008年にはタイトルをわずかに逃すも、トップドライバーの地位を築いた。
👉 リザーブ経験が「フェラーリ昇格の足がかり」になった象徴的存在。
第2位:ストフェル・バンドーン
- 背景:マクラーレンのシミュレーション要員として長期リザーブ。
- チャンス:2016年、フェルナンド・アロンソが怪我で欠場し、代役でバーレーンGPに出走。
- 結果:デビュー戦でポイント獲得。
- その後:2017年から正式シートを得る。現在はフォーミュラEチャンピオン。
👉 リザーブの準備とシミュレーター経験が、そのまま即戦力につながったケース。
第1位:セバスチャン・ベッテル(2007年 BMWザウバー → トロロッソ)
- 背景:BMWのリザーブとして活動。テストで才能を見せ、代役のチャンスを待っていた。
- チャンス:アメリカGPでロベルト・クビサの代役としてデビュー。
- 結果:即ポイントを獲得。その後トロロッソに移籍し、2008年イタリアGPで初優勝。
- その後:レッドブルで4連覇達成。
👉 「リザーブ出走が伝説の幕開け」となった歴史的成功例。
まとめ
リザーブドライバーの役割は一見地味ですが、次のようにF1史を動かしてきました。
- 突発的な代役出走がキャリアを一変させる(ベッテル、ラッセル、デ・フリース)。
- 裏方作業がトップチーム昇格の鍵になる(ガスリー、バンドーン)。
- 長期的に“スーパーサブ”として価値を発揮(ヒュルケンベルグ、クビサ)。
つまり「リザーブ」は単なる控えではなく、未来の王者や名脇役を生む舞台でもあるのです。
今後も代表するリザーブからすごい選手は現れるのでしょうか!
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