更新日:2025年11月7日|カテゴリー:F1観戦ガイド/データ分析|想定キーワード:ラップチャート 見方/F1 ラップチャート 解説/順位推移 グラフ/F1 データ分析
F1中継でよく見かける「ラップチャート(Lap Chart)」レースのすべてが詰まった“物語の地図”一枚のグラフで全て見えるF1初心者でも理解できるラップチャートの読み方・使い方を 図解付きで徹底解説します。
📊 ラップチャートとは?基本構造を理解する
ラップチャートは、レース中の順位変動を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸(X軸):ラップ数
- 縦軸(Y軸):順位(1位が一番上)
- 線の色:各ドライバー
順位の上下が線の動きとして表示され、 「いつ追い抜かれたか」「どこでピットインしたか」が一目で分かります。

▲ 単純なラップチャート例(順位が上下する動きがドライバーのレース展開)
※上記は当記事用に作成した単純例です。
📍 ラップチャートの“ここを見れば分かる”5つのポイント
① ピットイン(順位がストンと落ちる)
突然ラインが下にストンと落ちるのはピットストップです。 順位が5~15位ほど一気に落ちるのが特徴。
② 追い抜き/抜かれ(緩やかな上下)
緩やかに上昇する → 追い上げ成功
緩やかに下落する → 抜かれている
③ タイヤの劣化(じわじわ下落)
特にハード→ミディアムなど、 タイヤ性能差があると持久力の違いが顕著に出ます。
④ トラブル/コースオフ(急降下)
ピットインを伴わない急落は、 スピン・接触・タイヤ交換ミス・パワーユニット問題などの兆候。
⑤ SC(セーフティカー)中は横一列に横ばい
順位変動が止まり、全員が横一直線になります。 SC解除後の“動き”が読みやすいのもポイント。
🎯 ケーススタディ|単純なラップチャート例を読む
以下は、4人の簡易ラップチャート例です。

■ DRIVER A(赤)
- 序盤:1位キープ
- Lap4〜5:Bに抜かれて2位
- Lap6で再逆転 → そのまま1位でフィニッシュ
■ DRIVER B(黄)
- 序盤は2位固定
- Lap4〜5で一瞬トップに
- 終盤Aに抜かれて2位
■ DRIVER C(青)
- 5位→4位→3位と追い上げ
- Lap8〜9で4位に落ちる
- 最終Lap10で3位に戻る
■ DRIVER D(緑)
- 8位スタートからコツコツ追い上げ
- 最終的には4位でフィニッシュ
このように、ラップチャートを見るだけで レースの物語が一目で分かるのです。
📈 ラップチャートは“レースを再構築できる”データツール
レース後にラップチャートを見ると、 どのチームが戦略に成功したかが明確になります。
よくある“読み解き”の例
- ピットタイミングで一気に順位を上げる → アンダーカット成功
- 終盤ペースが落ちて順位低下 → タイヤ劣化
- 中盤ずっと横ばい → デグラ低い=車が安定
- 急に順位が乱れる → SC・VSCが入った
🔬 ラップチャートと組み合わせると最強のデータ
- ロングランペース表(ミドルスティントの実力)
- タイヤ周回数(劣化の読み解きに必須)
- テレメトリー(オンボード)
- セクタータイム表
これらを合わせることで、 1台ごとのレース運びを“分析者の視点”で理解できるようになります。
🎥 ラップチャートはTV観戦にも超便利!
近年のF1では、公式アプリやF1TVでラップチャートがリアルタイム表示されます。 これを横に置いてレースを見ると、 どの戦略が当たっているか、どの車が速いかが即座に分かるため、楽しさ倍増です。
- ピットのタイミングが良かったか
- タイヤ選択が正解だったか
- 中団がどう動いているか
- 前後の差が縮まっているか
レースを「流れ」で見るのではなく、 データとして読む楽しさを感じられます。
📝 まとめ:ラップチャートは観戦力を10倍引き上げるツール
- 順位変動が一目でわかる最強の可視化ツール
- 追い抜き・ピット戦略・トラブルが読み取れる
- SCやリスタートの動きもひと目で把握
- TV観戦・F1TVと相性バツグン
- 分析すると“戦略ゲームとしてのF1”がさらに面白くなる
ラップチャートが読めるようになると、F1観戦は間違いなくレベルアップします。 ただのレースではなく、 戦略・ペース・心理戦が絡む奥深いスポーツであることが、より鮮明に見えるようになります。 次のレースでは、ぜひラップチャートを手元に置いて観戦してみてください!



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